東京都行政書士会世田谷支部所属・目黒区在住の特定行政書士です。

事務所概要

行政書士萩本昌史事務所
代表者 特定行政書士 萩本昌史
所在地 東京都世田谷区北烏山7-25-8-401
TEL  03-6783-6727
FAX  03-6750-2225
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成年後見の申立てに必要な書類は?家庭裁判所へ提出する準備と注意点

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結論:成年後見の申立てでは、申立書一式、本人の戸籍謄本、本人・申立人・後見人候補者の住民票、診断書(成年後見制度用)、本人情報シート、登記されていないことの証明書、財産・収支資料などを準備します。書式や必要書類は家庭裁判所ごとに異なるため、最初に本人の住所地を管轄する家庭裁判所の案内を確認することが重要です。

認知症や知的障害、精神障害などにより、契約や財産管理の判断が難しくなった方を支える制度が成年後見です。申立てを考えたとき、最も時間がかかるのが本人情報シートと診断書の手配、そして預金・不動産・年金などの資料整理です。本記事では、法定後見の申立て前に何を集め、どの順番で進めるとよいかを実務目線で説明します。

この記事で分かること

  • 申立てができる人と3つの類型
  • 必要書類・費用と提出先
  • 申立ての手順と所要期間の目安
  • 専門家に相談する目安

成年後見の申立ては書類の種類が多い

成年後見の申立ては、本人の住所地を管轄する家庭裁判所に行います(家事事件手続法117条1項)。ここでいう住所地は住民票上の住所とは限らず、生活の本拠を指します。施設や病院に長期入所している場合は、その所在地を管轄する家庭裁判所になることが多いため、事前に確認してください。

申立てができるのは、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人・未成年後見監督人、保佐人・保佐監督人、補助人・補助監督人、検察官です(民法7条)。身寄りがない場合などは、市区町村長も申立てができます(老人福祉法32条ほか)。

後見・保佐・補助のどれになるかは本人の判断能力の程度で決まり、申立人の希望で選べるものではありません。診断書の判定と、本人の生活上の課題を対応させて整理します。なお、補助開始の審判には本人の同意が必要です(民法15条2項)。保佐人・補助人に代理権を付与する審判も、同様に本人の同意が要ります(民法876条の4第2項、876条の9第2項)。

申立ての書式や必要書類は、裁判所「後見開始」のページで最新情報を確認できます。

まず確認したい書類・費用

確認項目 見るポイント 見落としやすい点
申立書類 申立書、申立事情説明書、親族関係図、後見人等候補者事情説明書 書式は家庭裁判所ごとに異なる。申立先の最新版を使う
医療・福祉関係 本人情報シート、診断書(成年後見制度用) 本人情報シートは福祉関係者が作成し、それを主治医に渡してから診断書を依頼する
身分関係 本人の戸籍謄本、本人・申立人・候補者の住民票 発行後3か月以内などの有効期間の指定がある
登記関係 登記されていないことの証明書 法務局で取得する。市区町村では発行されない
財産・収支 財産目録、収支予定表、通帳の写し、不動産登記事項証明書、年金額改定通知書、施設利用料の請求書 通帳は記帳を最新にし、直近残高が分かる状態にする
費用 申立手数料800円+登記手数料2,600円(収入印紙)、連絡用郵便切手 鑑定が必要と判断されると別途10万〜20万円程度

手続きの進め方を5段階で整理

1. 類型の見当をつけ、本人の状況を整理する

本人の判断能力、日常生活の状況、支援が必要な場面(預金の管理、施設契約、遺産分割、不動産の売却など)を時系列で書き出します。「何のために後見が必要か」が、申立事情説明書の核になります。

2. 本人情報シート、次に診断書の順で手配する

最も時間がかかる工程です。まず地域包括支援センターやケアマネジャー、相談支援専門員などの福祉関係者に本人情報シートの作成を依頼します。完成したシートを主治医に渡し、診断書の作成を依頼します。両方で1か月前後かかることも珍しくありません。

3. 戸籍・住民票・登記されていないことの証明書を集める

本人の戸籍謄本、本人・申立人・後見人候補者の住民票、そして法務局で「登記されていないことの証明書」を取得します。発行日の有効期間が定められているため、診断書の目処が立ってからまとめて取得すると無駄がありません。

4. 財産・収支資料を集め、財産目録と収支予定表を作る

預貯金は通帳を記帳して残高を確定させ、不動産は登記事項証明書と固定資産評価証明書、年金は年金額改定通知書、負債は契約書や請求書で裏づけます。収支予定表は、年金収入と施設利用料・医療費などの支出を年額で整理します。

5. 申立て後は面接・審理・審判確定まで見通しを持つ

申立て後は、申立人や候補者への面接(調査)、必要に応じて親族への意向照会や鑑定が行われます。審判書を受け取ってから2週間の即時抗告期間が過ぎると審判が確定し、裁判所書記官の嘱託により東京法務局に後見登記がされます(後見登記等に関する法律4条)。後見人は「登記事項証明書」を取得して、金融機関などでの手続に使います。申立てから審判まで、おおむね2〜4か月が目安です。

自分で進めるときの注意点

  • 一度申し立てると自由に取り下げられません。後見開始の申立ての取下げには、審判前であっても家庭裁判所の許可が必要です(家事事件手続法121条)。「希望した候補者が後見人に選ばれなかったから取り下げる」ことは、原則として認められません。
  • 後見人が家族から選ばれるとは限りません。財産が多い、親族間に意見の対立があるといった場合は、弁護士・司法書士・社会福祉士などの専門職が選任されたり、後見監督人が付いたりします。誰を選任するかについて不服申立てはできません。
  • 途中でやめられません。後見は、本人の判断能力が回復して取消しの審判がされる(民法10条)か、本人が亡くなるまで続きます。更新手続はありませんが、その代わり後見人は原則として年1回、家庭裁判所へ後見等事務報告を提出し続けます。
  • 本人の財産は本人のためにしか使えません。相続税対策の生前贈与、家族への貸付け、投資商品の購入などは原則としてできません。居住用不動産の処分には家庭裁判所の許可が必要です(民法859条の3)。
  • 書式は裁判所ごとに違います。他県の書式や古い書式を流用せず、申立先の家庭裁判所のページから最新版を入手してください。

専門家へ相談した方がよいケース

親族の意見がまとまらない、遺産分割や不動産売却が控えている、本人の財産構成が複雑、申立人となる親族が遠方にいる。こうした場合は、早い段階で相談したほうが手戻りが減ります。

なお、家庭裁判所に提出する申立書類の作成および申立ての代理は、弁護士・司法書士の業務であり、行政書士は取り扱うことができません(行政書士法1条の2第2項、司法書士法3条1項4号)。相談先を決めるうえで重要な点です。

手続きの整理から、行政書士萩本昌史事務所へ

当事務所では、ご本人・ご親族からの委任に基づく戸籍謄本・住民票などの取得代行、家族関係の整理、財産・収支資料の棚卸し、相談先の整理をお手伝いします。家庭裁判所への申立書類の作成・提出代理は行政書士の業務範囲外のため、司法書士・弁護士をご紹介し、連携して進めます。

また、判断能力があるうちに備える任意後見契約は公正証書で作成する必要があり(任意後見契約に関する法律3条)、この場面ではご希望や生活設計の整理からお手伝いできます。

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よくある質問

Q1. 家族だけで申立てできますか?

できます。本人、配偶者、四親等内の親族などが申立人になれます(民法7条)。ただし、本人情報シートと診断書の手配、財産資料の収集に時間がかかるため、平日に動ける方がいるかどうかが一つの目安になります。

Q2. 費用はどのくらいかかりますか?

申立手数料800円と登記手数料2,600円(いずれも収入印紙)、連絡用の郵便切手が基本で、これに戸籍・住民票などの取得実費が加わります。家庭裁判所が鑑定を必要と判断した場合は、別途10万〜20万円程度がかかることがあります。また、後見開始後は本人の財産から後見人への報酬(家庭裁判所が決定)が毎年発生します(民法862条)。

Q3. 相談時に何を準備すればよいですか?

本人の状況が分かるもの(介護保険証、障害者手帳、施設の契約書など)、通帳、不動産の権利証や固定資産税の納税通知書、年金の通知、届いている請求書や通知類をお持ちください。足りない資料は相談後に整理できます。

まとめ

成年後見の申立てに法定の期限はありませんが、本人情報シートと診断書の手配に時間がかかるため、必要性が見えた段階で動き出すのが現実的です。管轄の家庭裁判所を確定し、その裁判所の最新書式で必要書類を一覧化してから集め始めると、手戻りを減らせます。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の事情により必要書類や結論が異なります。また、申立書類の作成・提出代理は弁護士・司法書士の業務です。提出前に管轄の家庭裁判所または該当する専門家へご確認ください。

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