東京都行政書士会世田谷支部所属・目黒区在住の特定行政書士です。

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建設業許可が失効したら再取得できる?更新を忘れた場合の確認手順と新規申請のポイント【東京都】

建設業許可が失効したら再取得できる?更新を忘れた場合の確認手順と新規申請のポイント【東京都】
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結論:建設業許可の有効期間が過ぎてしまった場合、原則として「更新」ではなく「新規許可申請」をやり直します。許可が失効したままでは、許可が必要な工事を請け負う営業は続けられません。ただし、満了日前に更新申請が受理されていて、まだ処分が出ていない場合は、建設業法第3条第4項により、処分がされるまでの間は従前の許可がなお効力を有します。

本記事では、東京都知事許可を中心に、建設業許可が失効したときの確認方法、再取得までの進め方、申請前に見直すポイントを、実務で迷いやすい順に整理します。「更新を忘れたかもしれない」「許可番号は残っているが有効期限が不明」「失効後の契約や工事をどうするか知りたい」という方は、まず現在の状態を正確に確認してください。

この記事の要点

  • 建設業許可の有効期間は5年間で、更新を受けなければ期間の経過によって効力を失います(建設業法第3条第3項)。
  • 有効期間の満了日は「許可のあった日から5年目の許可日に対応する日の前日」です。
  • 東京都知事許可の更新申請の受付期間は、満了日の2か月前から30日前までです。この期間を過ぎると更新の道が事実上閉ざされます。
  • 満了日前に更新申請が受理されていれば、処分がされるまで従前の許可は有効です(建設業法第3条第4項)。
  • 失効後に再び許可を取る場合は、申請区分が「新規」となり、要件・書類・営業体制を一から確認します。手数料も5万円から9万円に上がります。

1.建設業許可の「失効」とは?

建設業許可には有効期間があります。建設業法第3条第3項は、許可は5年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって効力を失うと定めています。許可通知書や許可証明書に記載された有効期間の満了日を過ぎると、社内の台帳に許可番号が残っていても、許可を前提とした営業はできません。

満了日の数え方には注意が必要です。東京都の手引では、「許可の有効期間は、許可のあった日から5年目の許可日に対応する日の前日をもって満了となります」と説明されています。たとえば許可日が8月5日であれば、5年後の8月4日が満了日です。「許可日から5年後の同じ日まで有効」と誤解すると、1日ずれて期限管理を誤ります。

また、業種追加、許可換え、一般・特定の区分変更などを行っている会社は、許可の有効期間が複数に分かれている場合があります。この場合は、先に満了を迎える許可の更新申請に合わせて、有効期間が残っている他の許可も同時に1件の更新として申請する「許可の一本化(許可の有効期間の調整)」が使えます。最も古い許可の満了日と、更新対象となる業種を一覧にして確認すると、見落としを防げます。

2.更新を期限内に出していたかで結論が変わる

期限内に更新申請が受理されている場合

満了日前に更新申請が受理されている場合、審査・補正中に従前の許可の満了日を迎えても、直ちに失効するわけではありません。建設業法第3条第4項は、更新の申請があった場合に、許可の有効期間の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の許可は満了後もその処分がされるまでの間はなおその効力を有すると定めています。東京都の手引でも、更新申請のほか、全部般・特新規申請、許可換え新規申請が受理されていれば、有効期間の満了後であっても許可・不許可等の処分があるまでは従前の許可が有効であると案内されています。

ただし、これは「満了日前に適法に申請が受理されている」ことが前提です。東京都では、書類審査を経て手数料を納入した時点で受付となり、受付年月日・受付番号を押印した副本が返却されます。申請書を作成しただけ、郵送しただけ、手数料を納入する前だった、補正未了で受付が成立していない、といった事情では結論が変わります。受付印のある副本、受付番号、電子申請の到達状況、担当窓口からの連絡を必ず確認しましょう。

期限内に更新申請をしていなかった場合

更新申請を提出しないまま有効期間を過ぎた場合は、更新ではなく新規許可申請を検討します。ここで見落とされがちなのが、東京都知事許可の更新申請の受付期間です。東京都の手引では、更新申請の受付期間は「5年間の有効期間が満了する日の2か月前から30日前まで」とされ、更新を含む申請の受付は満了日の30日前までと明記されています(新規申請を除く)。

つまり、満了日そのものではなく、その30日前が実務上の締切です。30日前を過ぎてから気づいた場合の取扱いは、まず建設業課の窓口に確認してください。いずれにしても「前の許可番号があるから、更新料だけで戻せる」とは考えないことが重要です。

3.失効後の「再取得」は新規申請になる

「再取得」という言葉から、簡易な再発行を想像する方がいます。しかし、東京都の手引は申請区分の「新規」を「現在『有効な許可』をどの許可行政庁からも受けていない場合」と定義しています。許可の有効期間が満了して失効した会社は、まさにこの状態です。以前に許可を持っていた会社であっても、申請区分は新規となります。

実務上の影響として、まず手数料が変わります。東京都知事許可の場合、更新の手数料は5万円ですが、新規・許可換え新規・般特新規は9万円です。書類の量も、更新に比べて大幅に増えます。

新規申請では、現在の会社の実態を基準に、常勤役員等(経営業務の管理責任者)、営業所技術者等(旧・専任技術者)、営業所、財産的基礎、誠実性、欠格要件、社会保険・雇用保険の加入状況などを確認します。以前の許可で認められていた体制が、そのまま現在も使えるとは限りません。代表者、役員、技術者、営業所所在地、雇用関係、決算状況が変わっていないかを一つずつ点検します。

特に見落としやすいのが財産的基礎です。一般建設業では、①自己資本500万円以上、②500万円以上の資金調達能力、③直前5年間東京都知事許可を受けて継続して営業した実績、のいずれかで要件を満たします。許可を切らさず更新を続けていれば③で足りていたところ、失効すると③は使えなくなり、①または②を資料で証明しなければなりません。

なお、失効の原因が更新忘れではなく、許可の取消し、廃業届、事業承継、許可換え、一般・特定の区分変更などである場合、適切な申請区分や欠格期間の確認が必要です。原因を曖昧にしたまま新規申請を進めると、不要な補正や申請やり直しにつながります。

4.失効に気づいたときの5ステップ

Step1 有効期限と許可行政庁を確認する

許可通知書、許可証明書、変更届の控え、会社で管理している許可台帳を確認します。東京都知事許可なのか、国土交通大臣許可なのか、複数業種のうちどれが失効したのかも整理してください。行政庁が分からない場合は、国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで、許可番号・商号・所在地・許可有効期間・許可を受けた建設業の種類を確認できます。なお、東京都の許可通知書は再交付されないため、手元にない場合は建設業許可証明書(確認書)の交付申請を検討します。

Step2 更新申請の受付状況を確認する

期限内に申請した可能性が少しでもあるなら、受付印のある申請書副本、電子申請の到達記録、手数料納入記録、補正メールを探します。窓口に問い合わせる場合は、許可番号、商号、代表者、満了日、申請日、担当者名を手元に置くと確認がスムーズです。東京都では更新の許可通知書は有効期間満了日以後に発送されるため、「通知書がまだ届かない=失効」ではない点にも注意してください。

Step3 失効後の契約・着工・表示を止めて整理する

許可が必要な規模の工事を、許可業者であるかのように受注・表示していないかを確認します。工事の種類、請負金額、契約日、着工日、元請・下請の立場を一覧にし、発注者や元請会社に説明が必要な案件を分けます。許可票(建設業の許可票)、ウェブサイト、見積書、請求書、会社案内の表示も更新前のままにしないでください。

Step4 新規申請の要件を再点検する

常勤役員等(経管)と営業所技術者等の常勤性・経験・資格、営業所の使用権原、財務内容、納税・社会保険関係の書類を確認します。以前の申請控えをそのままコピーするのではなく、現在の事実と証明資料が一致しているかを見直すことが大切です。

Step5 申請区分とスケジュールを決める

東京都知事許可か大臣許可か、一般か特定か、どの業種を申請するかを確定します。許可取得前に締結できる契約・施工範囲、既存案件の扱い、申請準備期間、補正期間を踏まえ、受注計画と資金繰りを組み直します。急いで提出するより、要件の抜けをなくす方が結果的に早く再取得できることがあります。

5.新規申請で特に見直す6つのポイント

  1. 常勤役員等(経営業務の管理責任者):役員・個人事業主としての経験を、期間と立場が分かる資料で説明できるかを確認します。
  2. 営業所技術者等:令和6年12月の改正建設業法で「専任技術者」から名称が変わりました。資格、実務経験、専任性、常勤性を確認し、他社勤務や現場配置との関係を整理します。
  3. 営業所:事業用の独立性、使用権原、所在地、写真・平面関係資料などが現在の状態と合っているかを点検します。
  4. 財産的基礎:一般建設業なら自己資本500万円以上または500万円以上の資金調達能力を、特定建設業なら資本金・自己資本・欠損比率・流動比率の各基準を、決算書や残高証明で確認します。
  5. 欠格要件・誠実性:建設業法第8条の欠格要件を確認します。破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者、許可の取消しから5年を経過しない者、拘禁刑以上の刑や建設業法違反等による罰金刑から5年を経過しない者などが該当します。役員等の変更があった会社は、新任役員も含めて洗い出します。
  6. 届出・決算変更届:過去の変更や決算報告が未提出になっていないかを整理し、新規申請と同時に必要な手続を確認します。

要件は会社の状況と申請区分で変わります。特に、失効後に役員や技術者が入れ替わった会社、営業所を移転した会社、個人事業から法人成りした会社は、過去の許可の記録だけでは判断できません。

6.東京都で再取得を進めるときの実務

東京都知事許可の申請は、東京都都市整備局が公開する最新の「建設業許可(申請・変更)の手引」に沿って準備します。令和7年度版が公開されており、許可制度、申請区分、受付期間、必要書類、記入例、確認資料までが一冊にまとまっています。東京都では電子申請の案内も公開されていますが、申請区分や受付期限、補正方法は変更されることがあります。必ず提出時点の最新版の手引と公式案内を確認してください。

申請方法は、電子申請、建設業課窓口での申請、郵送申請の3通りです。郵送の場合は、書類が到達しただけでは受付になりません。東京都では郵送審査のあと入金指示を受けて手数料を納入し、その時点で受付となる流れです。有効期限が迫っている更新申請では、この一連の手続が満了日の30日前までに終わらなければならないため、締切直前の郵送は避けるのが安全です。失効後の新規申請でも、許可が下りるまでの期間を見込んで、契約や工事の予定を調整します。

東京都の公式ページでは、許可の有効期限や許可業種を確認するための建設業許可証明書(確認書)に関する案内も掲載されています。自社の社内台帳と行政庁の情報が一致しない場合は、先に公式情報を確認してから申請書を作成しましょう。

7.失効後にやってはいけないこと

第一に、許可がない状態で、許可が必要な工事を「許可業者」として受注・施工することです。建設業法第3条第1項に違反して許可を受けないで建設業を営んだ者は、同法第47条第1項第1号により3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(情状により併科)の対象となります。第二に、ウェブサイトや許可票に古い許可番号・許可期間を掲載し続けることです。第三に、元請会社や発注者への説明を先延ばしにして、契約・着工を既成事実化することです。

なお、許可がなくても請け負える「軽微な建設工事」は、建築一式工事では請負代金1,500万円未満または延べ面積150平方メートル未満の木造住宅工事、それ以外の工事では請負代金500万円未満のものに限られます(いずれも消費税込み)。2025年の建設業法施行令改正でも、この金額基準は変わっていません。

また、請負代金は工事の種類だけでなく契約形態も含めて判断します。注文者が材料を提供する場合はその材料費と運送費を含めて計算し、同一の工事を2以上の契約に分割して請け負うときは各契約の合計額で判断します。自己判断で金額を分けるのは危険です。失効に気づいたら、まず新規申請の準備と並行して、進行中案件の法的整理を専門家に確認してください。

8.よくある質問

Q1.失効した許可番号は再取得後も同じですか?

再取得は新規申請となるため、原則として新たな許可番号が付与され、以前の許可番号がそのまま復活するわけではありません。許可年月日と有効期間も新たに設定されます。番号の具体的な取扱いは行政庁への確認が必要です。会社案内やウェブサイト、許可票の表記は、再取得後の通知内容に合わせて更新します。

Q2.期限を1日過ぎただけでも新規申請ですか?

期限内に更新申請が受理されているかどうかが重要です。ここでいう期限は満了日そのものではなく、東京都では満了日の30日前が更新申請の受付締切です。申請しないまま満了日を過ぎた場合は、原則として新規申請を検討します。1日だけだから大丈夫とは考えず、まず受付状況と行政庁の見解を確認してください。

Q3.再取得まで工事を続けられますか?

許可が必要な工事を、許可業者として続けることはできません。軽微な建設工事の範囲であれば許可がなくても請け負えますが、工事の規模、契約関係、元請・下請の立場、着工時期によって整理が必要です。既存案件を含め、発注者・元請との契約変更や施工体制の見直しが必要になることがあります。

Q4.以前の許可で使った書類を再利用できますか?

経験や資格を裏付ける資料として参考にできる場合はありますが、現在の役員・技術者・営業所・財務状況を示す資料が別途必要になることがあります。過去の控えを再利用できるかは、書類の発行日・記載内容・現在との一致を確認して判断します。

Q5.更新忘れを防ぐにはどうすればよいですか?

東京都知事許可の業者には、東京都から更新期限到来のお知らせが郵送されますが、これに頼るのは危険です。本店移転や担当者の退職で通知が届かないことがあるためです。許可ごとの満了日を一覧化し、満了日の6か月前、4か月前、3か月前、そして受付開始日となる2か月前に社内通知を出す仕組みをおすすめします。決算変更届や変更届の提出状況も同じ台帳で管理し、担当者が退職しても期限が分かるようにしましょう。

まとめ:失効に気づいたら、契約と要件を同時に整理する

建設業許可が失効した場合、最初に確認するのは「有効期限」と「期限内の更新申請が受理済みか」です。受理済みなら建設業法第3条第4項による審査中の扱いを確認し、受付がないなら新規申請として要件を再点検します。失効後の受注・着工・許可表示をそのまま続けると、再取得の準備とは別の問題が広がります。

東京都での再取得は、以前の申請書を出し直すだけではなく、現在の会社体制を証明する手続です。許可業種を絞るのか、一般・特定の区分をどうするのか、常勤役員等・営業所技術者等・営業所・財産的基礎の要件をどう整えるのかを、案件と資金繰りを含めて早めに判断してください。

建設業許可の失効・再取得で、まず状況を整理したい方へ

許可の有効期限、更新申請の受付状況、失効後の契約・工事、新規申請の要件を一緒に確認します。東京都の建設業許可に関する申請準備や、再取得までの進め方で迷ったら、行政書士萩本昌史事務所へご相談ください。

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