東京都行政書士会世田谷支部所属・目黒区在住の特定行政書士です。

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行政書士萩本昌史事務所
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建設業許可は500万円ないと取れない?預金残高・見せ金・資金調達を東京都向けに解説【2026年版】

建設業許可は500万円ないと取れない?預金残高・見せ金・資金調達を東京都向けに解説【2026年版】
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結論:建設業許可は、口座に500万円がないと絶対に取れないわけではありません。一般建設業許可の財産的基礎は、①自己資本が500万円以上、②500万円以上の資金調達能力がある、③申請直前の5年間、許可(東京都知事許可の申請では東京都知事許可)を受けて継続して営業した実績がある、のいずれかを満たせば足ります。ただし、東京都で新規申請をする会社・個人事業主は、決算書の自己資本や金融機関の預金残高証明書、融資証明書などで説明できる状態を整える必要があります。

「建設業許可を取りたいが、500万円の現金がない」「一時的に借りたお金を口座に入れればよいのか」「500万円未満の工事なら許可はいらないのか」と迷う方は少なくありません。この記事では、検索キーワード「建設業許可 500万円 ない」に答えながら、東京都での確認ポイント、見せ金と疑われる危険な準備、申請前に専門家へ相談すべき場面を行政書士が整理します。

この記事で分かること

  • 「500万円」は何のための基準なのか
  • 現金がない場合に使える3つの確認ルート
  • 預金残高証明書・融資証明書の注意点
  • 500万円未満の工事と建設業許可の関係
  • 東京都で申請を進める実務手順

建設業許可は500万円ないと取れない?まず結論

建設業許可で話題になる「500万円」は、許可を受ける会社や個人事業主が、工事を開始し、材料費や人件費などを支払い、請負契約を履行できるだけの財産的基礎を持っているかを確認するための基準です。単純に「申請者名義の普通預金に500万円があるか」だけを機械的に見る制度ではありません。

一般建設業許可の財産的基礎は、次のいずれかで判断されます。

  1. 自己資本の額が500万円以上であること
  2. 500万円以上の資金を調達する能力を有すること
  3. 直前5年間、許可(東京都知事許可の申請では東京都知事許可)を受けて継続して営業した実績があること

したがって、新規申請で決算書上の自己資本が500万円に届かなくても、金融機関からの融資証明書などにより、500万円以上を調達できることを説明できれば、要件を満たせる可能性があります。反対に、預金残高だけを一時的に増やして、出所や継続性を説明できない状態は避けるべきです。

「500万円」の3つの意味を混同しない

1. 工事の請負金額に関する500万円

建築一式工事以外では、1件の工事の請負代金が500万円未満であれば、軽微な建設工事として、原則として建設業許可がなくても請け負えるとされています。ここで重要なのは「500万円未満」であり、500万円ちょうどは含まれないこと、消費税・地方消費税を含む金額で考えることです。

建築一式工事は別の基準で、請負代金1,500万円未満、または延べ面積150平方メートル未満の木造住宅工事などが軽微な工事に該当します。内装、電気、管、塗装、解体などの専門工事と同じ感覚で判断してはいけません。

2. 許可申請における財産的基礎の500万円

こちらは、許可を取るための会社・事業者側の財産的基礎です。工事1件の請負代金が500万円未満かどうかとは別の話で、許可を受ける事業者が一定の資金力を備えているかを確認します。「工事が500万円未満だから、申請者の資金も500万円不要」とは限りません。

3. 特定建設業の下請契約に関する金額

元請として大規模工事を受け、多額の下請契約を締結する場合に問題となるのが特定建設業許可です。発注者から直接請け負った工事について、下請契約の総額が5,000万円以上(建築一式工事では8,000万円以上)となる場合は、特定建設業許可が必要です。この金額は、令和7年2月1日施行の政令改正により、4,500万円(建築一式工事は7,000万円)から引き上げられたものです。これは一般建設業許可を新規取得する際の500万円とは別の制度です。

500万円の現金がない場合に確認する3つのルート

ルート1:決算書の自己資本を確認する

法人の場合は、最新の確定した貸借対照表における純資産の部、いわゆる自己資本を確認します。資本金だけが500万円以上でも、繰越利益剰余金の赤字などによって自己資本が500万円を下回ることがあります。逆に、資本金が少なくても利益の蓄積により自己資本が500万円以上となっている場合があります。

個人事業主の自己資本は、期首資本金、事業主借勘定および事業主利益の合計額から事業主貸勘定の額を控除し、負債の部に計上されている利益留保性の引当金・準備金の額を加えた額をいいます。事業主個人の資産全体を大まかに見るわけではないため、確定申告書・青色申告決算書と申請書類の整合性を確認しながら、東京都が求める様式・期間に合わせて準備しましょう。

ルート2:預金残高証明書で資金調達能力を示す

直前の確定決算で自己資本(純資産合計)が500万円に満たない場合は、取引金融機関が発行する預金残高証明書または融資証明書によって、500万円以上の資金調達能力を示します。東京都の「建設業許可申請変更の手引」では、申請者名義(法人である場合は当該法人名義)の口座であることが前提とされています。

証明書の有効期間にも注意が必要です。東京都では、「発行日」ではなく「証明日(○月○日現在)」が受付日から1か月以内のものを提出することとされています。複数の金融機関の証明書を合算する場合も、証明日が同一であれば有効です。一方、法人の申請で代表者個人名義の口座の残高をそのまま使うことはできません。ネット銀行の画面を印刷しただけでは足りないケースもあるため、早めに金融機関へ「建設業許可申請用の残高証明書」と伝えて相談してください。

ルート3:融資証明書などで調達能力を説明する

手元資金が不足していても、金融機関から500万円以上を融資できることを示す証明書を提出できる場合があります。融資の可否は申請者の信用状況、事業計画、返済能力などに左右されるため、申請直前に慌てて申し込むのではなく、許可取得後の受注予定、材料費、人件費、外注費、入金サイトを含めた資金繰りを整理しておきます。

なお、行政書士が融資を保証することはできません。許可の要件確認と金融機関の融資審査は別の手続きです。融資を利用する場合は、行政書士と金融機関の双方へ、提出時期と必要書類を確認するのが安全です。

「見せ金」は危険。500万円を一時的に借りるだけでは不十分

預金残高を見せるためだけに、知人や別会社から一時的に資金を借りて、証明書を取得した後すぐに返す方法は、いわゆる見せ金と疑われるおそれがあります。資金の出所、貸借関係、返済予定、事業上の必要性を説明できない場合、許可申請全体の信頼性を損ないます。

特に注意したいのは、次のようなケースです。

  • 申請直前に大きな入金があり、通常の売上や出資として説明できない
  • 複数人の口座から短期間だけ資金を集めている
  • 代表者個人から法人への貸付なのに契約書や会計処理がない
  • 残高証明書の発行後、申請前に資金を大きく移動している
  • 融資証明書の条件と、実際の資金使途が合っていない

大切なのは「500万円あるように見せること」ではなく、建設業を継続して営み、請負契約を履行できる資金計画を説明することです。親族からの贈与、役員借入金、増資、融資など、資金の作り方自体に問題がなくても、契約書・振込記録・会計処理・税務申告との整合性が必要です。

東京都で新規申請する前のチェックリスト

東京都内にのみ営業所を置く場合は、原則として東京都知事許可を検討します。施工場所が東京都外でも、営業所の配置によって知事許可・大臣許可の区分が決まるため、工事現場の所在地だけで判断しないでください。

確認項目見るポイント
自己資本法人は最新の確定決算書の純資産、個人は申請区分に応じた財産資料を確認
資金調達能力預金残高証明書・融資証明書の発行条件と有効な時期を金融機関へ確認
資金の出所増資、役員借入、贈与、融資などを契約書・会計・振込記録で説明できるか
営業所事業実態、使用権原、写真、電話・机等の設備を説明できるか
営業所技術者等・常勤役員等常勤性、資格、実務経験、常勤役員等(経営業務の管理責任者)の要件を確認
工事業種請け負う工事の内容が29業種のどれに該当するかを契約書・見積書で確認

資金だけを確認しても、営業所技術者等(令和7年2月1日施行の改正建設業法により「専任技術者」から名称変更されました)、常勤役員等(経営業務の管理責任者)、誠実性、欠格要件、社会保険など別の要件で止まることがあります。新規申請では、最初に全体要件を一覧化して、取れる要件と不足している要件を分けることが効率的です。

建設業許可を取らなくてもよい工事との違い

500万円未満の軽微な工事だけを請け負う場合、原則として許可は不要です。しかし、次のような場合は注意が必要です。

  • 工事を分割しても、実質的に1件の工事である
  • 材料費を含めた請負代金の合計が基準を超える
  • 追加工事を別契約にしているが、当初から一体の工事である
  • 建築一式工事の基準(1,500万円未満または木造住宅150平方メートル未満)を、専門工事の500万円基準で判断している
  • 元請・下請の立場や工事業種を整理しないまま契約している

許可が不要な規模から始める場合でも、将来500万円を超える受注をする見込みがあるなら、早めに許可準備を始めるのがおすすめです。許可申請には、人的要件・営業所要件・財産的基礎の確認に時間がかかり、許可が下りる前に受注契約を締結すると、無許可営業の問題につながることがあります。

申請前に行政書士へ相談した方がよいケース

次のどれかに当てはまる場合は、申請書を書き始める前に相談すると、手戻りを減らせます。

  • 自己資本が500万円未満で、預金残高・融資証明書のどちらを使うか迷っている
  • 代表者個人の資金を法人申請に使いたい
  • 直近決算が赤字、債務超過、または役員借入金が多い
  • 個人事業主から法人成りしたばかりで、経験や財産資料の整理が必要
  • 500万円を超える工事の見積依頼が来ており、契約時期が迫っている
  • 許可業種、営業所技術者等(旧・専任技術者)、営業所の要件も同時に確認したい

相談時には、直近の確定申告書・決算書、履歴事項全部証明書、通帳や残高資料、工事契約書・注文書・請求書、資格証明書、実務経験を示せる資料を持参すると、判断が速くなります。資料が揃っていなくても、まずは現状を説明し、何を取り寄せるべきかを確認しましょう。

500万円の資金要件と必要書類を、東京都向けに確認したい方へ

自己資本・預金残高・融資証明書のどのルートが現実的か、現在の決算状況と受注予定を踏まえて整理します。

建設業許可の専門サイトで確認する

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よくある質問

Q1. 500万円を口座に入れれば、必ず許可が取れますか?

いいえ。財産的基礎は重要な要件の一つですが、営業所技術者等(旧・専任技術者)、常勤役員等(経営業務の管理責任者)、営業所、誠実性、欠格要件なども審査されます。また、入金の経緯を説明できない一時的な残高づくりは、見せ金と疑われるリスクがあります。

Q2. 500万円未満の工事しか受けないなら、許可は不要ですか?

建築一式工事以外で、1件の請負代金(消費税込)が500万円未満の軽微な工事だけを請け負うなら、原則として許可は不要です。ただし、消費税、材料費、追加工事、実質的な一括契約を含めて判断します。建築一式工事の場合は、1件の請負代金(消費税込)が1,500万円未満の工事、または請負代金の額にかかわらず延べ面積150平方メートル未満の木造住宅工事が軽微な建設工事にあたります。

Q3. 融資を受けた後でないと申請できませんか?

必ずしも融資実行後である必要はありません。500万円以上の資金調達能力は、預金残高証明書のほか、取引金融機関が発行する融資証明書によっても示せます。ただし、証明日が受付日から1か月以内であることなど、東京都への提出条件を事前に確認してください。

Q4. 代表者個人の預金を会社の申請に使えますか?

そのままでは使えません。東京都では、資金調達能力を申請者名義(法人である場合は当該法人名義)の口座の預金残高証明書または融資証明書で判断するため、法人の申請で代表者個人名義の残高を合算することはできません。代表者個人の資金を使うのであれば、増資、または法人への貸付として実際に法人口座へ入金したうえで、金銭消費貸借契約書、振込記録、会計処理の整合性を整える必要があります。判断に迷う場合は、申請窓口や専門家へ確認しましょう。

まとめ:500万円がないからといって、すぐに諦めない

建設業許可の「500万円」は、口座残高だけを意味するわけではありません。一般建設業許可では、自己資本、資金調達能力、または過去5年間の継続営業実績という複数のルートがあります。

一方で、500万円未満の軽微な工事の基準、許可申請の財産的基礎、特定建設業の下請契約基準は別々の制度です。ここを混同すると、許可が必要な工事を無許可で受けたり、不要な書類を集めたりすることになります。

東京都で新規申請をするなら、まず直近決算の自己資本、金融機関で発行できる証明書、資金の出所、受注予定の工事業種と金額を一枚のチェックリストにまとめてください。そのうえで、資金要件だけでなく、人的要件・営業所要件・欠格要件まで一度に確認すると、申請までの道筋が明確になります。

※この記事は2026年8月10日時点で確認できる公表情報(東京都「建設業許可申請変更の手引」令和7年度版を含む)をもとにした一般的な解説です。申請者の法人・個人の別、許可業種、決算状況、申請時期によって必要書類や扱いが異なるため、最新の東京都の手引き・申請窓口で確認してください。

参考:公的機関の情報

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