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防火管理者選任届の記入例を探している方へ。この記事では、東京消防庁の現行様式「防火・防災管理者選任(解任)届出書」をもとに、どの欄へ何を書けばよいかを、事業所・店舗・テナントの実務に沿って解説します。届出書だけでなく、消防計画作成(変更)届出書、資格を証する書面、提出先と控えの準備まで、提出前に確認したいポイントをまとめました。
先に結論:防火管理者選任届は「届出書1枚」で終わりません
- 正式名称は「防火・防災管理者選任(解任)届出書」です。
- 防火管理者を選任したら、原則として「消防計画作成(変更)届出書」も準備します。
- 防火管理講習の修了証など、資格を証する書面の写しを添付します。
- 提出先は建物・事業所を管轄する消防署です。東京消防庁では窓口、郵送、電子申請に対応しています。
防火管理者選任届とは?まず制度を整理
防火管理者選任届とは、一定の収容人員や用途の防火対象物について、管理権原者が防火管理者を選任したことを消防機関へ届け出る書類です。根拠となる制度は主に消防法第8条に置かれており、防火管理者には、消防計画の作成・届出、避難訓練、火気管理、収容人員の管理など、防火管理上必要な業務を行わせます。
ここで注意したいのは、「防火管理者を決めた」という社内の人事だけでは手続きが完了しないことです。選任(解任)届出書を管轄消防署へ提出し、選任された防火管理者が消防計画を作成して、消防計画作成(変更)届出書も提出する流れになります。
なお、届出の要否や必要な資格は、建物の用途、規模、収容人員、管理権原の分かれ方によって変わります。小規模な事務所と飲食店、複数テナントが入る建物では判断が異なるため、「従業員が少ないから不要」と自己判断しないことが大切です。
記入前にそろえるもの|書き始める前のチェックリスト
届出書を開く前に、次の情報を確認しておくと作成が止まりません。
- 届出をする事業所の正式名称、所在地、電話番号
- 建物全体の名称、用途、令別表第1の用途区分
- 建物全体または事業所部分の収容人員
- 単一権原か複数権原か、テナント部分の名称
- 選任する防火管理者の氏名、フリガナ、住所、職務上の地位
- 防火管理講習の種別(甲種・乙種)、講習機関、修了年月日
- 防火管理者を選任した日
- 前任者がいる場合は、氏名、解任年月日、解任理由
- 資格を証する書面の写し、郵送なら返信用封筒
法人の場合、管理権原者欄には、法人の住所、名称、代表者の職・氏名、電話番号を記入します。登記上の本店所在地と実際の事業所所在地が異なる場合があるため、法人情報と建物情報を混ぜないように整理してください。
防火管理者選任届の記入例|欄ごとの書き方
1. 届出年月日と宛先
最初に、消防署へ提出する年月日を記入します。郵送の場合は投函日を記入する扱いです。宛先は、防火対象物を管轄する消防署長となります。管轄が分からないときは、建物所在地から所轄消防署を確認してから作成しましょう。
東京消防庁の様式では、選任と解任のうち該当しない文字を抹消します。同一の届出書で前任者の解任と後任者の選任を同時に行う場合は、選任・解任の両方を使うことができます。
2. 管理権原者の住所・氏名・電話番号
管理権原者とは、その事業所や建物の防火管理について法律、契約、慣習上の権限を持つ者です。一般的には、建物所有者や、テナントとして使用する事業所の賃借人などが該当します。
法人であれば「法人住所・会社名・代表者の役職と氏名・電話番号」を記入します。防火管理者本人の住所ではありません。個人事業主であれば、事業主の住所・氏名を記入するのが基本です。
3. 防火対象物の所在地・名称・電話番号
所在地は、実際に防火管理を行う建物の住所を記入します。名称欄には、ビル名、店舗名、支店名、工場名など、消防署が対象を特定できる正式名称を書きます。電話番号は、その事業所に連絡がつく番号を記入してください。
4. 管理権原|単一権原と複数権原
建物全体を一つの事業所が使用し、管理権原が分かれていない場合は「単一権原」です。複数のテナントが入る建物で、店舗や事務所ごとに管理者が異なる場合は「複数権原」にチェックします。
複数権原の場合は、自社が管理する部分の名称を記入します。例えば、ビル全体の名称ではなく、「1階○○飲食店」「3階○○事務所」のように、届出対象となるテナント部分を特定します。この欄を建物名だけで済ませると、どの範囲の防火管理者なのかが分かりにくくなります。
5. 用途・令別表第1・収容人員
用途欄には、飲食店、物品販売店舗、事務所、工場、共同住宅など、実際の使用形態を記入します。令別表第1の欄は、用途に応じた項区分を確認して記入する欄です。例えば、飲食店は「(3)項ロ」など、用途によって区分が変わります。
収容人員は、単純に従業員数を書く欄ではありません。消防法上の算定方法に基づく人数を記入します。建物全体を対象にするのか、複数権原の事業所部分を対象にするのかでも扱いが異なるため、図面や消防署の指導内容と照合してください。
6. 甲種・乙種の種別
防火対象物の区分に応じて、甲種または乙種にチェックします。選任する人が受講した講習の種類と、届出対象物に必要な資格が一致しているかを確認します。甲種防火管理講習修了者は、原則として甲種・乙種の対象で選任できますが、乙種講習修了者を甲種対象物に選任できるとは限りません。
判断が難しい場合は、用途・規模・収容人員を整理し、管轄消防署または専門家へ確認してください。資格欄だけを先に埋めるのではなく、建物側の要件から確認するのが安全です。
7. 防火・防災管理者の氏名、住所、選任年月日、職務上の地位
氏名はフリガナ付きで正確に記入します。住所は防火管理者本人の現住所です。選任年月日は、管理権原者がその人を防火管理者として選任した日を記入します。分からない場合の取り扱いは自治体の案内を確認しますが、東京消防庁の記入要領では届出年月日とする考え方が示されています。
職務上の地位には、店長、支店長、総務部長など、組織上の立場を記入します。単に「従業員」と書くより、防火管理上必要な決定や指示を行える立場であることが分かるようにすることが重要です。
8. 資格・講習種別・講習機関・修了年月日
防火管理講習を修了している場合は、防火管理の欄にチェックし、甲種または乙種、新規講習または再講習の該当欄を選びます。防災管理者も兼ねる場合は、防災管理の資格も確認します。講習機関は東京消防庁、○○市消防局、消防本部など、修了証に記載された機関名を記入します。
修了年月日は、修了証に記載された日付をそのまま転記します。修了証番号や資格の写しが必要になることがあるため、届出書を作成する段階で資格証明書を手元に置いておくと安心です。
9. 解任欄とその他必要な事項
前任者を解任する場合は、氏名、解任年月日、解任理由を記入します。理由は「転勤」「退職」「異動」など、事実関係が分かるように具体的にします。後任者の選任と前任者の解任を同時に行う場合は、両方の欄に漏れなく記入してください。
その他必要な事項には、修了証番号、新築工事中の建物の規模、委託選任の場合の対象物の種類などを記入する場合があります。該当しない欄を無理に埋めるのではなく、空欄でよいか、別紙が必要かを確認します。
選任届と一緒に提出する書類
東京消防庁の案内では、選任(解任)届出書に加え、資格を証する書面の写しを準備します。また、防火管理者に選任された者は消防計画を作成し、消防計画作成(変更)届出書と消防計画を提出します。
| 書類 | 確認ポイント |
|---|---|
| 防火・防災管理者選任(解任)届出書 | 選任・解任、建物情報、管理権原、資格情報を記入 |
| 資格を証する書面 | 防火管理講習修了証などの写しを準備 |
| 消防計画作成(変更)届出書 | 選任後の消防計画と併せて提出 |
| 消防計画 | 建物・事業所の実態に合った内容にする |
窓口提出で控えが必要な場合は、届出書や消防計画を2部用意します。郵送の場合は、控えの返送を受けるための返信用封筒を同封し、宛名と切手を準備します。電子申請を利用する場合は、資格を証する書面のデータを先に用意しておきましょう。
提出先・提出方法・期限の考え方
提出先は、建物または事業所を管轄する消防署です。東京消防庁では、窓口のほか、郵送や電子申請にも対応しています。窓口の受付時間、電子申請の対象、必要な添付データは変更されることがあるため、提出前に最新の公式案内を確認してください。
防火管理者の届出について、東京消防庁のFAQは「明確な期限はないが、遅滞なく届出を」と案内しています。実務では、営業開始、入居、管理権原者の変更、前任者の退職や異動など、選任が必要になった時点から放置しないことが重要です。「何日以内」と一律に決めつけるのではなく、所轄消防署の指導や建物の状況を確認して、速やかに手続きを進めます。
よくある記入ミスと提出前チェック
- 建物名とテナント名を混同し、管理する範囲が分からない
- 法人の代表者情報と防火管理者本人の情報を逆に記入する
- 収容人員を従業員数だけで記入する
- 甲種・乙種の資格と防火対象物の区分を確認していない
- 選任年月日、講習機関、修了年月日が修了証と一致していない
- 選任届だけ提出し、消防計画作成届出書を忘れる
- 郵送なのに返信用封筒を入れていない
- 控えが必要なのに2部用意していない
提出前には、①管轄消防署、②単一権原・複数権原、③用途・収容人員、④資格、⑤消防計画、⑥控えの要否、の6点をチェックしてください。特にテナント入居、店舗の用途変更、代表者や管理者の交代がある場合は、届出書だけでなく他の消防関係手続きが発生することがあります。
東京都で迷ったら、専門家へ相談するメリット
防火管理者選任届は、書式の文字を埋めるだけなら難しく見えません。しかし、管理権原の範囲、用途区分、収容人員、甲種・乙種の判断、消防計画との整合性を間違えると、修正や追加提出が必要になることがあります。特に飲食店、複合用途ビル、工場、事務所移転、新築・改修工事の場面では、消防署との事前相談を含めて準備すると手戻りを減らせます。
防火管理の届出・消防計画を、事業所の状況に合わせて整理したい方へ
選任届の記入、必要書類の確認、消防計画、所轄消防署への提出準備まで、個別の建物・テナント事情を踏まえて確認します。
行政手続き全体もまとめて確認したい方へ
店舗や事業所の開設では、防火管理者選任届のほか、営業許可、法人設立、契約、各種変更届などが同時に発生します。建設業者が事務所や営業所を整備するケースでは、建設業許可や営業所の要件確認が別に必要になることもあります。手続きごとに窓口を探すより、事業の開始・移転・変更という一つの出来事から必要な行政手続きを洗い出すと、漏れを防ぎやすくなります。
まとめ|記入例は「建物情報・資格・消防計画」まで一体で確認
防火管理者選任届の記入で大切なのは、氏名や住所を埋めることだけではありません。届出対象となる建物・事業所の範囲を確定し、管理権原、用途、収容人員、必要資格を確認したうえで、消防計画作成(変更)届出書まで一体で準備することです。
東京消防庁の最新様式・記入例・電子申請案内を確認し、提出先の消防署を間違えないようにしてください。建物の使い方やテナント構成に不安がある場合は、届出書を提出する前に専門家へ相談すると、差し戻しや追加対応を減らせます。
よくある質問
防火管理者選任届はいつまでに提出しますか?
東京消防庁は、明確な期限はないものの、遅滞なく届出するよう案内しています。営業開始や入居、前任者の退職・異動など、選任が必要となったら速やかに管轄消防署へ確認してください。
防火管理者選任届だけ提出すればよいですか?
いいえ。防火管理者に選任された人は消防計画を作成し、消防計画作成(変更)届出書も提出する必要があります。資格を証する書面の写しも準備します。
防火管理者本人が提出できますか?
提出方法や自治体の運用によります。管理権原者の情報を正確に記入し、必要な資格証明書をそろえれば、窓口・郵送・電子申請で提出できる場合があります。東京消防庁の最新案内で確認してください。
東京都以外でもこの記入例を使えますか?
様式の考え方は参考になりますが、様式名、提出方法、添付書類、電子申請の可否は自治体によって異なります。所在地を管轄する消防本部の公式案内を優先してください。
