東京都行政書士会世田谷支部所属・目黒区在住の特定行政書士です。

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行政書士萩本昌史事務所
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建設業許可取得条件とは?経営業務・技術者・財産要件を東京都向けに解説【2026年版】

建設業許可取得条件とは?経営業務・技術者・財産要件を東京都向けに解説【2026年版】
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「建設業許可を取りたいが、自社は条件を満たしているのか」「社長の経験や資格者、資本金はどこまで必要なのか」と悩んでいませんか。

建設業許可の取得条件は、単に会社を設立して申請書を提出すればよいものではありません。経営業務を適正に行える体制、営業所ごとの技術者、契約を履行できる財産的基礎、誠実性、欠格要件に該当しないことなどを、書類と確認資料で説明する必要があります。

この記事では、東京都で新規許可を検討する事業者が最初に確認すべきポイントを、一般建設業と特定建設業の違いにも触れながら整理します。最後に、申請準備を迷わず進めるためのチェックリストと相談先も紹介します。

建設業許可取得条件の全体像

建設業許可を受けるには、建設業法上の許可要件を満たし、欠格要件に該当しないことが必要です。詳しい法定要件は、国土交通省の「許可の要件」もあわせて確認してください。実務上は、次の順番で確認すると漏れが少なくなります。

  • どの工事業種の許可が必要かを特定する
  • 一般建設業か特定建設業かを判断する
  • 経営業務を適正に行う体制を確認する
  • 営業所技術者等の資格・実務経験と常勤性を確認する
  • 財産的基礎、社会保険、誠実性、欠格要件を確認する
  • 東京都の最新の手引に沿って申請書と確認資料をそろえる

なお、一般建設業と特定建設業の区分は、発注者から直接請け負った1件の工事について、下請代金の総額が5,000万円(建築一式工事は8,000万円)以上となる下請契約を締結するかどうかで決まります。これに該当する場合は特定建設業の許可が必要です。この金額は、令和7年2月1日施行の建設業法施行令の改正により、4,500万円(建築一式工事7,000万円)から引き上げられました。

許可要件は、申請時だけでなく許可取得後も維持が必要です。たとえば、営業所技術者等や常勤役員等が退職して後任がいない場合、要件を欠く状態になり得ます。申請書を作る前に、許可後の人員体制まで考えておくことが重要です。

1.経営業務を適正に行う体制があるか

常勤役員等の経験を確認する

法人なら常勤役員等、個人事業なら本人または支配人のうち、建設業の経営業務を適正に管理できる人が必要です。代表者が建設会社を経営してきた場合でも、会社の役職、在籍期間、請負工事の内容、契約や資金管理への関与などを確認資料で説明できなければなりません。

代表的な確認ルートは、建設業に関する経営業務の管理責任者としての経験を5年以上有することです。このほか、経営業務の管理責任者に準ずる地位で5年以上経営業務を管理した経験(補佐した経験の場合は6年以上)によるルートや、一定の役員等としての経験がある常勤役員等に、財務管理・労務管理・業務運営を直接補佐する者を置く体制によるルートもあります。ただし、経験の評価は役職名だけで決まるものではなく、個別の資料審査になります。

社会保険の加入状況も要件になる

健康保険、厚生年金保険、雇用保険について、適用事業所に該当する営業所が必要な届出を行っているかを確認します。社会保険の状態が未整理のまま申請準備を進めると、後から補正や追加説明が必要になることがあります。法人・個人、従業員数、適用関係を先に整理しましょう。

2.営業所技術者等を置けるか

営業所ごとに専任者が必要

建設業許可を受ける業種について、見積、入札、請負契約の締結などを行う営業所ごとに、営業所技術者等を専任で置く必要があります。単に資格証があるだけでは足りず、申請する業種との対応、実務経験、営業所での常勤性を確認します。

なお「営業所技術者等」とは、令和6年12月13日施行の改正建設業法により、従来の「専任技術者」から名称が変更されたものです(一般建設業は建設業法第7条第2号の「営業所技術者」、特定建設業は同法第15条第2号の「特定営業所技術者」の総称)。求められる資格・実務経験の内容そのものに変更はありませんが、申請書や変更届では新しい名称が使われます。

一般建設業では、国家資格、指定学科の卒業と実務経験(大学・高等専門学校の卒業後3年以上、高等学校の卒業後5年以上)、許可を受けようとする業種に関する10年以上の実務経験などが代表的なルートです。特定建設業では、一般建設業より高度な資格や、発注者から直接請け負った請負代金の額が4,500万円以上の工事に関する2年以上の指導監督的実務経験など、より厳しい要件が設定されています。ただし、土木工事業・建築工事業・電気工事業・管工事業・鋼構造物工事業・舗装工事業・造園工事業の7業種(指定建設業)については、指導監督的実務経験による方法は認められず、1級の国家資格者等または国土交通大臣の認定を受けた者に限られます。

資格より先に「業種との対応」を確認する

電気工事、管工事、建築工事など、資格の種類によって認められる業種が異なります。「施工管理技士の資格があるから、すべての工事業種で申請できる」とは限りません。許可を取りたい業種を決めてから、資格区分と実務経験証明の可否を照合してください。

また、営業所技術者等の常勤性は、健康保険の資格情報(被保険者証の写し、資格確認書、資格情報のお知らせ等)、雇用関係資料、賃金台帳など、申請先が求める確認資料で判断されます。名義だけを借りる、非常勤の人を置くといった方法では要件を満たせません。

3.財産的基礎を満たしているか

一般建設業の財産要件

一般建設業では、次のいずれかに該当することが基本的な財産的基礎の要件です。

  • 自己資本が500万円以上ある
  • 500万円以上の資金調達能力がある
  • 許可申請直前の過去5年間、許可を受けて継続して営業した実績がある(すでに許可を受けている場合の方法です。新規許可では上の2つのいずれかで判断します)

ここで注意したいのは、資本金が500万円以上であることと、自己資本が500万円以上であることは同じではない点です。決算書の純資産、法人設立直後の残高、金融機関の残高証明など、会社の状態に応じて確認資料が変わります。

特定建設業はより厳しい

特定建設業は、発注者から直接請け負った工事について、5,000万円(建築一式工事は8,000万円)以上の下請契約を締結する元請事業者に求められる許可区分です。下請負人の保護のため、財産的基礎についても次の4つをすべて満たす必要があります。

  • 欠損の額が資本金の額の20%を超えていないこと
  • 流動比率が75%以上であること
  • 資本金の額が2,000万円以上であること
  • 自己資本の額が4,000万円以上であること

これらは原則として直前の確定した決算で判断されます。将来、特定建設業を目指す場合は、今回の一般許可だけでなく財務体質も確認しておきましょう。

4.誠実性と欠格要件を確認する

不正・不誠実な行為をするおそれがないこと

請負契約の締結や履行に際して、不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな場合は許可を受けられません。許可申請者だけでなく、役員等や政令で定める使用人について確認されることがあります。

欠格要件は役員・使用人まで確認

虚偽記載や重要事項の記載漏れがある場合のほか、一定の刑罰、許可取消し後の期間、暴力団員等への該当など、法律で定められた欠格事由があります。法人の場合は、代表取締役だけでなく役員等や令3条使用人も確認対象になるため、申請直前に慌てて調べるのではなく、早めに一覧化してください。

過去の処分歴や刑罰歴がある場合は、自己判断で「大丈夫」と決めず、事実関係と経過を整理したうえで申請先または行政書士に相談することをおすすめします。

東京都で申請する前にそろえる資料

東京都知事許可を申請する場合、東京都都市整備局が公開している最新の「建設業許可申請変更の手引」(本記事執筆時点では令和7年度版)と様式を基準に準備します。主な確認資料は次のとおりです。

  • 法人の履歴事項全部証明書、定款、役員等の情報
  • 常勤役員等の経営業務経験を示す書類
  • 営業所技術者等の資格証、卒業証明書、実務経験証明書
  • 営業所の使用権原、所在地、写真などの確認資料
  • 直近の財務諸表、納税関係資料、残高証明など
  • 健康保険・厚生年金・雇用保険の加入状況を示す資料
  • 誓約書、身分証明書、登記されていないことの証明書等

必要書類は、法人か個人か、新規・追加・更新のどれか、一般か特定か、申請業種、営業所の数、経験の証明方法によって変わります。ネット上の古いチェックリストだけで判断せず、東京都の最新手引を基準にしてください。

東京都の公式ページでは、申請書類だけでなく、手引、確認資料、様式の最新版が案内されています。東京都の建設業許可・手引と申請書類を確認し、提出前には更新日も見ておきましょう。

建設業許可取得条件のセルフチェック

次の質問にすべて「はい」と答えられるか確認してください。

  1. 申請したい工事業種と、実際に請け負う工事の内容が一致している
  2. 一般建設業か特定建設業か、営業形態から判断できている
  3. 常勤役員等の経験を、役職・期間・業務内容・資料で説明できる
  4. 営業所技術者等の資格または実務経験が業種に対応している
  5. 営業所技術者等が申請営業所に専任・常勤できる
  6. 社会保険の加入状況が整理されている
  7. 財産的基礎を決算書または資金調達資料で説明できる
  8. 役員等・令3条使用人の欠格要件を確認している
  9. 東京都の最新手引で必要書類を照合している

一つでも「いいえ」や「資料が見つからない」がある場合は、先に不足資料と代替できる証明方法を確認しましょう。申請書を先に作り始めると、経験証明や常勤性のところで手戻りになりやすいからです。

建設業許可申請で失敗しやすい3つのポイント

経験年数だけを数えてしまう

「社長を5年やっている」だけでは、建設業の経営業務経験を当然に証明できるとは限りません。契約書、請求書、入金記録、許可通知書、確定申告書など、期間と業務内容がつながる資料を確認します。

資格者の名前だけで安心してしまう

資格があっても、申請業種との対応や常勤性に問題があれば差し替えが必要です。資格証の確認と同時に、どの営業所のどの業種を担当するのかを決めてください。

許可区分を決めずに書類を集める

一般建設業と特定建設業では、技術者要件と財産要件が異なります。元請・下請の関係、発注者から直接請け負う工事の規模、下請に出す金額などを整理し、必要な許可区分を先に決定します。

建設業許可取得条件で迷ったら専門家に相談

建設業許可の申請は、要件を満たしているかだけでなく、それをどの資料で、どの順序で説明するかが重要です。特に、経営業務経験の証明、営業所技術者等の実務経験、法人設立直後の財産要件、役員の過去情報は、事業者ごとに判断が分かれます。

東京都で建設業許可の新規申請・業種追加・更新を検討している方は、建設業許可の専門情報をまとめた建設業許可の専門サイトもご覧ください。事業の状況を伺い、必要な許可区分と資料の優先順位を整理することで、準備のやり直しを減らせます。

建設業許可の要件を、まず無料で整理しませんか?

「自社は一般・特定のどちらか」「社長の経験で足りるか」「資格者の実務経験をどう証明するか」を、申請前に確認できます。

許認可をまとめて見直すなら

建設会社の事業拡大では、建設業許可だけでなく、現場や建物の用途に応じて消防法上の届出・防火管理・消防設備に関する確認が必要になることがあります。新しい事務所、店舗、倉庫、共同住宅などを開設・改修する場合は、工事着手前に消防関係の手続きも確認しておくと安心です。

消防関係の手続きや防火管理については、東京都の消防手続き専門サイトで情報を確認できます。建設業許可と消防関係の相談窓口をまとめて確認したい場合は、行政書士萩本昌史事務所へご相談ください。

まとめ:建設業許可取得条件は「人・技術・お金・誠実性・資料」で確認

建設業許可取得条件は、次の5つの視点で整理すると分かりやすくなります。

  • 人:経営業務を適正に行う常勤役員等がいるか
  • 技術:営業所ごとに業種に対応した営業所技術者等を置けるか
  • お金:一般・特定それぞれの財産的基礎を満たすか
  • 誠実性:不正・不誠実な行為をするおそれがないか
  • 資料:東京都の最新手引に沿って事実を証明できるか

許可取得の可否は、会社の規模だけで決まりません。経験者、技術者、財務内容、営業所の実態、過去の情報を一つずつ確認すれば、最初に何を直すべきかが見えてきます。申請を急ぐ前にセルフチェックを行い、不明点は公式手引と専門家相談で解消しましょう。

参考資料

本記事は、次の公的資料をもとに作成しています。実際の申請では、必ず最新版をご確認ください。

※本記事は2026年8月時点で公開されている国土交通省・東京都の情報をもとにした一般的な解説です。法令改正や申請先の運用により必要書類・取扱いが変わる場合があります。個別の申請では、必ず最新の手引と申請先の案内をご確認ください。

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