
はじめに
外国人が日本に滞在するためには、それぞれの活動内容に応じた「在留資格」と「在留期間」が必要です。しかし、在留期間については意外と正確に理解されていないことも多く、誤解がトラブルのもとになるケースもあります。この記事では、在留期間とは何か、どのように設定されるのか、延長や変更は可能なのかについて、わかりやすく解説します。
在留期間とは?
在留資格と在留期間の違い
- 在留資格:外国人が日本で行うことができる活動内容(例:留学、就労、家族滞在など)
- 在留期間:その在留資格で日本に滞在できる”期間の長さ”
在留資格ごとに、認められる在留期間が異なり、出入国在留管理庁によって細かく設定されています。
在留期間の代表例
在留資格 | 主な在留期間 |
---|---|
留学 | 3か月、6か月、1年、1年3か月、2年、3年、4年 |
技術・人文知識・国際業務 | 3か月、1年、3年、5年 |
特定技能1号 | 4か月、6か月、1年(通算5年まで) |
永住者 | 無期限 |
▶️ 同じ在留資格でも、付与される期間は人によって異なります。
在留期間の決め方
審査官による総合判断
在留期間は、申請時の次の要素を総合的に考慮して決定されます。
- 申請者の活動内容と安定性
- 申請者の経歴・資格・過去の在留状況
- 雇用先や学校の信用性
- 日本での生活基盤(収入・住居など)
例:技人国ビザの場合
- 大企業勤務+高年収 → 3年・5年が付与される可能性大
- 中小企業勤務+新卒レベル → 1年付与が一般的
▶️ 最初は1年の在留期間からスタートし、更新時に3年・5年に伸びることもよくあります。
在留期間の更新とは?
更新のタイミング
- 原則として在留期間満了の3か月前から更新申請が可能です。
- 遅れずに申請すれば、審査中も「特例期間」として引き続き日本に滞在できます。
更新が許可される条件
- 在留資格に適合した活動を継続していること
- 納税・年金・保険料の支払いを適切に行っていること
- 日本の法令を遵守していること
▶️ 違反歴や税金滞納があると、更新不許可になることもあるので注意が必要です。
在留期間と在留カードの関係
- 在留期間の満了日=在留カードの有効期限です。
- 更新や変更により、新しい在留カードが交付されます。
- 永住許可後は、「永住者」の在留カード(有効期間7年)が発行されます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 在留期間が切れてもすぐ強制退去ですか?
→ いいえ。更新申請中は”特例期間”が認められ、審査中でも合法的に滞在できます。
Q2. 一度付与された期間より短縮されることはありますか?
→ はい。更新審査の結果、前回より短い在留期間(例:3年→1年)になることもあります。
Q3. 永住申請にはどれくらいの在留期間が必要ですか?
→ 通常、日本に10年以上滞在(うち就労系ビザで5年以上)が要件です。ただし高度人材ポイント制度を使えば1年〜3年で申請可能な場合もあります。
まとめ
- 在留期間とは、外国人が日本に合法的に滞在できる期間を指します。
- 同じ在留資格でも人によって付与される期間は異なります。
- 在留期間更新は満了3か月前から可能。生活態度や活動実績が審査に影響します。
- 在留資格と在留期間を正しく理解し、早め早めの手続きが重要です!
※この記事は2025年4月時点の制度に基づいて作成しています。最新情報については出入国在留管理庁等の公式発表をご確認ください。
東京都世田谷区で行政書士事務所です。消防計画、建設業許可、在留許可、相続、防火管理などでお悩みの方はお気軽にご相談ください。
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