【完全ガイド】飲食店が外国人を雇用できる在留資格と必要な手続き、注意点

はじめに

近年、日本の外食業界では人手不足が深刻化しており、外国人労働者の雇用が増加しています。しかし、適切な在留資格の選定や法的手続きを理解していないと、入管法違反(出入国管理及び難民認定法第73条の2)となるリスクがあるため、正しい知識を持って適切に手続きを進めることが重要です。

本記事では、外食産業店が外国人を雇用するための手順、適用される在留資格、必要な手続き、そして注意すべきポイントについて詳しく解説します。


1. 飲食店で外国人を雇用できる在留資格

外国人を雇用するためには、在留資格(ビザ)の確認が重要なポイントになります。飲食店で働くために適用される在留資格は、主に以下のものがあります。

✅ 1-1. 特定技能1号(外食業)

📌 根拠条文:出入国管理及び難民認定法(入管法)第2条の2、第19条の3、第19条の18

📌 概要

  • 人手不足が深刻な外食産業において、特定技能1号の在留資格を取得した外国人を雇用できる。
  • 調理・接客・配膳など幅広い業務を行うことが可能。

📌 主な要件

  • 特定技能評価試験(外食業分野)に合格していること(入管法施行規則第1条の4)
  • 日本語能力試験(JLPT N4以上)またはJFT-Basicに合格していること(入管法施行規則第1条の5)
  • 最大在留期間:5年間(更新可・家族帯同不可)

📌 雇用主の義務(入管法第19条の18)

  • 外国人労働者への生活支援(住居探し、行政手続きサポートなど)
  • 適切な労働環境の整備
  • 労働法・入管法の遵守

✅ 1-2. 技能実習(調理・外食業)

📌 根拠条文:技能実習法第3条、第4条

📌 概要

  • 技能実習制度を活用し、母国への技術移転を目的として外国人を雇用することが可能。
  • 調理補助や食品加工などの業務が中心で、接客業務は制限される。

📌 主な要件

  • 監理団体または企業単独型の受け入れスキームに沿った採用が必要(技能実習法第3条)
  • 技能実習計画の認定を受けること(技能実習法第4条)
  • 原則3年間(最長5年間)

📌 注意点

  • 技能実習の趣旨は「人材育成」であり、人手不足解消のための制度ではない(技能実習法第1条)
  • 転職は原則不可(技能実習法第15条)

✅ 1-3. 日本人の配偶者等・永住者・定住者

📌 根拠条文:入管法第22条、第22条の2

📌 概要

  • 就労制限がないため、飲食店の調理・接客・ホールスタッフなど、あらゆる業務に従事可能。

📌 対象者

  • 日本人と結婚した外国人(日本人の配偶者等)
  • 永住許可を得ている外国人(永住者)
  • 日系人や定住許可を得た外国人(定住者)

✅ 1-4. 留学生のアルバイト(資格外活動許可)

📌 根拠条文:入管法第19条の2

📌 概要

  • 留学生が資格外活動許可を取得している場合、週28時間以内での就労が可能

📌 主な要件

  • 「資格外活動許可」を取得していること(入管法施行規則第19条の2)
  • 学業の妨げにならない範囲で就労(週28時間以内、長期休暇中は週40時間以内)

📌 注意点

  • 週28時間を超えた労働は違法となる(入管法第19条の2違反)
  • 風俗営業関連の業務は禁止(入管法第19条の2第2項)

✅ 1-5. 技能(調理)

📌 根拠条文:入管法別表第一

📌 概要

  • 熟練したな専門技術を持つ外国人を雇用するための在留資格。
  • 中華、フレンチ、インド料理などの外国料理の専門料理人に適用される場合がある。

📌 主な要件

  • 学歴要件または10年以上の実務経験が必要(上陸基準省令)
  • 企業が適切な労働契約を結ぶこと
  • 単純作業ではなく、専門的な業務に従事することが求められる

📌 注意点

  • 単なる調理補助や接客業務には適用されない
  • 雇用主は技能レベルを証明する必要がある

2. 外国人雇用のための手続き

📌 雇用契約の締結(労働基準法第15条)

📌 在留資格の確認(入管法第19条の16)

📌 ハローワークへの届出(雇用対策法第28条)


4. まとめ

飲食店で外国人を雇用する場合、適切な在留資格の確認が必須(入管法第19条の16)
特定技能1号・技能実習・留学生アルバイト・技術・人文知識・国際業務など、適用できる在留資格を理解する雇用契約の締結、ハローワーク届出、労働基準法の遵守を徹底する
文化・言語の違いを考慮し、外国人スタッフが働きやすい環境を整える

外国人雇用の正しい知識を身につけ、適切な手続きを行いましょう!