東京都行政書士会世田谷支部所属・目黒区在住の特定行政書士です。

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行政書士萩本昌史事務所
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建設業許可の経営業務の管理責任者とは?要件・必要書類・東京都での確認手順を行政書士が解説【2026年版】

建設業許可の経営業務の管理責任者とは?要件・必要書類・東京都での確認手順を行政書士が解説【2026年版】
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結論:建設業許可の「経営業務の管理責任者」は、会社または個人事業主が建設業の経営を適正に行えることを示すための重要な許可要件です。原則として、法人なら常勤役員等、個人なら本人または支配人のうち、建設業の経営業務について5年以上の経験を証明できる人を置く必要があります。

ただし、役職名が「代表取締役」「店長」だったというだけで認められるわけではありません。誰が、どの期間、どの立場で、どのような経営業務を担当していたかを、登記・契約書・確定申告書・請求書などで一貫して説明できることが重要です。本記事では、2026年現在の建設業許可における経営業務の管理責任者の要件、必要書類、東京都での確認手順を行政書士が実務目線で解説します。

この記事で分かること
・経営業務の管理責任者に該当する経験年数と立場
・法人・個人事業主での確認ポイント
・東京都で準備しやすい証明資料
・経験が足りない、資料が欠けている場合の対応
・申請前に行うべき5分チェック

経営業務の管理責任者とは?

経営業務の管理責任者とは、建設業の営業所や会社全体の経営を適正に管理できる経験を持つ「常勤役員等」です。以前から「経管(けいかん)」と略されることが多い制度ですが、現在の申請書では「常勤役員等(経営業務の管理責任者等)」という表現が使われます。

法人の場合は、業務を執行する社員、取締役、執行役、これらに準ずる者などから選任します。監査役や、役員ではない単なる事務局長・従業員は、原則としてこの立場の候補にはなりません。個人事業主の場合は、本人または支配人が候補になります。

この要件は、許可を取る時だけでなく、許可を維持する間も必要です。経営業務の管理責任者が退職したのに後任が決まらない場合、要件を欠く状態になり得ます。役員退任や代表者変更を予定している会社は、変更後の体制を先に確認してください。

建設業許可の経営業務の管理責任者の要件

現在の代表的なルートは、次のとおりです。最も多いのは、建設業に関する経営業務を5年以上、役員等として管理していたケースです。

ルート 概要 確認の要点
基本ルート 建設業に関し、5年以上、経営業務の管理責任者として経験 役職・期間・建設業の内容を資料で証明
権限委任ルート 建設業に関し、5年以上、経営業務の管理責任者に準ずる地位(権限委譲を受けた執行役員等)で経営業務を管理 取締役会設置会社での取締役会の決議による具体的な権限委譲と、実際の権限行使を確認
補佐経験ルート 建設業に関し、6年以上、経営業務の管理責任者に準ずる地位で経管を補佐 補佐の範囲と期間を具体的に説明
体制整備ルート 常勤役員等の経験と、財務管理・労務管理・業務運営の直接補佐者を組み合わせる 直接補佐者は申請者(自社)での建設業の業務経験が各5年以上(他社での経験は不可)

体制整備ルート(建設業法施行規則第7条第1号ロ)の常勤役員等は、次のいずれかに該当する人です。ロ(1)は、建設業に関し2年以上の役員等経験があり、その期間と合わせて、役員等または役員等に次ぐ職制上の地位(財務管理・労務管理・業務運営のいずれかを担当)での経験が合計5年以上ある人です。2年と5年を足して7年必要という意味ではありません。ロ(2)は、役員等としての経験が5年以上(建設業以外の業種を含む)あり、かつ建設業に関し2年以上の役員等経験がある人です。

加えて、財務管理・労務管理・業務運営について、常勤役員等を直接に補佐する者(直接補佐者)をそれぞれ置く必要があります。直接補佐者の業務経験は、申請者自身(許可を受けている建設業者、または許可を受けようとする建設業を営む者)における建設業の業務経験が各5年以上必要で、他社での業務経験は認められません。3分野を1人が兼ねることはできますが、補佐される常勤役員等本人が直接補佐者を兼ねることはできません。

「経営業務の経験」として確認される仕事

判断の中心は、肩書きではなく、建設業の経営に関する実態です。たとえば、請負契約の締結、受注判断、資金繰り、工事の予算管理、人員配置、取引先との継続的な折衝など、会社や事業の運営を総合的に管理していたことを説明できるかがポイントになります。

一方、現場作業だけを担当していた期間、見積書を作成していただけの期間、単に営業をしていただけの期間は、経営業務の管理経験として直ちに認められるとは限りません。工事の施工経験や営業所技術者等(令和6年12月13日施行の改正建設業法で「専任技術者」から名称変更)の実務経験と、経営を管理した経験は別に整理する必要があります。

また、建設業の業種ごとに経験を分断して考えるのではなく、現在は「建設業に関する経営業務」として確認する考え方が基本です。ただし、過去の許可状況、業種、役職、権限、期間によって扱いが変わることがあります。迷う場合は、経験を年月順に並べた一覧表を作り、許可行政庁に事前相談してください。

常勤性の確認でつまずきやすい点

経験年数を満たしていても、申請時点で「常勤」であることを確認できなければ進められません。ここでいう「常勤」とは、原則として主たる営業所において、休日その他勤務を要しない日を除き、一定の計画の下に毎日所定の時間中、その職務に従事していることをいいます。そのため、他社の常勤役員・代表取締役・清算人等を兼ねている人、他に個人営業を行っている人、他社の技術者となっている人、住所が営業所から著しく遠距離で通勤できない人は、そもそも常勤役員等になることができません。社会保険の加入状況と説明が合わない場合も、追加の確認を求められます。

確認では、健康保険・厚生年金の資格取得状況、住民票、給与の支払状況、勤務実態、営業所との関係などを組み合わせます。個人事業主でも、支配人を置く場合は登記や権限関係が必要です。形式だけ役員に就任させるのではなく、主たる営業所で実際に経営管理を行っていることが必要です。テレワークを活用する場合も営業所の要件は変わらず、社会通念上、営業所に通勤可能な距離であることなどが求められます。

東京都で準備したい必要書類

東京都の手引では、常勤役員等(経営業務の管理責任者等)証明書、略歴書、法人の登記事項証明書などに加えて、常勤性と経営経験を確認する資料を準備します。案件ごとに必要資料は異なりますが、次のように「立場」「期間」「建設業の実態」「常勤性」の4つに分けると整理しやすくなります。

  • 立場:履歴事項全部証明書、閉鎖事項証明書、役員名簿、個人事業の開業・廃業等届出書など
  • 期間:役員就任期間が分かる登記、確定申告書、許可通知書、変更届、在籍を示す公的資料など
  • 建設業の実態:請負契約書、注文書・請書、請求書、入金記録、工事台帳、決算書など
  • 常勤性:マイナンバーカード(マイナ保険証)の表面または資格確認書、健康保険・厚生年金の資格取得確認及び標準報酬決定通知書、確定申告書、住民税特別徴収税額通知書(徴収義務者用)など。東京都では令和7年12月2日以降、健康保険証の写しは常勤性の確認資料として使用できません

特に注意したいのは、「5年分の資料が1枚あればよい」と考えないことです。たとえば、役員期間は登記で分かっても、その期間に建設業を営んでいたことが契約書等で説明できなければ、経験の裏付けとして弱くなります。反対に、契約書が残っていても、候補者が経営を管理する立場だったことが分からなければ不足します。複数の資料を年度ごとに対応させて、空白期間がないか確認しましょう。

法人と個人事業主で異なる確認ポイント

法人の場合

法人では、候補者が取締役等の役員として登記されていたか、登記されていない執行役員等であれば実際の権限委任があったかを確認します。代表取締役の在任期間だけでなく、建設業の受注・資金・人員を管理していた証拠を揃えることが重要です。役員変更を繰り返している会社は、履歴事項証明書だけでなく閉鎖事項証明書も確認してください。

個人事業主の場合

個人事業主本人が建設業を経営していた場合は、確定申告書、請負契約、請求・入金資料、許可の履歴などを組み合わせます。屋号が変わった、親族名義の口座を使っていた、元請・下請の資料が散在しているというケースでは、本人が事業を管理していた流れを時系列で説明できるようにします。

要件を満たせないときに検討できること

経験年数が足りない場合、まず「本当に足りないのか」を再点検します。役員就任前に建設業の経営業務を補佐していた期間、個人事業主としての期間、過去会社での役員期間が漏れていることがあります。次に、権限委任ルート、補佐経験ルート、体制整備ルートに該当しないかを確認します。

ただし、経験の合算や補佐者の配置は、資料の内容と行政庁の審査によって判断されます。「知人の会社で名前だけ役員だった」「家族の事業を手伝っていた」という説明だけで通るとは限りません。資料が不足している場合は、元勤務先に証明を依頼できるか、税務・登記・入金の記録を補完できるかを早めに確認してください。

東京都での申請前チェック手順

  1. 候補者を決め、法人なら役員等の地位、個人なら本人・支配人の別を確認する。
  2. 経験を年月順に並べ、各期間について「立場・建設業の内容・管理した業務・証明資料」を表にする。
  3. 役員期間、建設業の実態、常勤性の3つに空白や矛盾がないか確認する。
  4. 東京都の最新手引で、常勤役員等の証明書・略歴書・確認資料の様式を確認する。
  5. 判断が分かれそうな期間は、資料一式を持って事前相談し、補正を見込んで申請する。

建設業許可の一般的な要件については、当サイトの建設業許可取得条件の解説も参考になります。役員退任が関係する場合は、役員退任と変更届の手順、技術者(現在の名称は営業所技術者等)の交代が関係する場合は、専任技術者が退職した場合の対応も確認してください。

5分でできるセルフチェック







1項目でも説明が難しい場合は、申請書を書き始める前に資料の確認をおすすめします。経営業務の管理責任者の要件は、書類の書き方よりも「経験の事実と証拠のつながり」が審査のポイントになるためです。

よくある質問

Q. 経営業務の管理責任者は社長でなければいけませんか?

A. 必ずしも代表取締役である必要はありません。法人の常勤役員等(業務を執行する社員、取締役、執行役、これらに準ずる者)の中から、要件を満たす人を置きます。監査役や一般の従業員は該当しません。ただし、取締役会設置会社において、取締役会の決議を経て取締役会または代表取締役から具体的な権限委譲を受けた執行役員等は、「経営業務の管理責任者に準ずる地位」に当たる場合があります。

Q. 営業所技術者等(旧:専任技術者)と同じ人が経営業務の管理責任者を兼ねられますか?

A. 兼ねられます。東京都の手引では、常勤役員等(経管)と営業所技術者等(専技)の双方の基準を満たす人は、同一営業所内であれば1人で両者を兼ねることができるとされています。ただし、同一法人であっても他の営業所の営業所技術者等を兼ねることはできません。また、常勤役員等(経管)本人が直接補佐者を兼ねることもできません。

Q. 建設業許可を持っていなかった期間の経験は使えますか?

A. 許可の有無だけで一律に決まるわけではありません。無許可期間でも建設業を適法に営んでいたこと、候補者が経営業務を管理していたことを資料で説明できるかが重要です。

Q. 役員を退任したら許可はすぐ失効しますか?

A. 退任そのものではなく、退任後に要件を満たす常勤役員等が不在になることが問題です。後任候補を事前に確認し、変更届の期限や必要書類を許可行政庁に確認してください。

Q. まず何を行政書士に見せればよいですか?

A. 候補者の職歴、法人の登記履歴、過去の許可通知書、確定申告書、契約書・請求書・入金記録を、古い順にまとめてください。資料が全部揃っていなくても、最初の適否判断は可能です。

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経験年数と証拠書類を、申請前に一緒に整理しませんか?

経営業務の管理責任者は、5年という数字だけでなく、役職・業務内容・建設業の実態・常勤性を一つのストーリーとして説明する必要があります。東京都の申請に向けて、資料の棚卸しから要件確認、申請準備までサポートします。

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参考:公式資料

※本記事は2026年8月時点で公表されている制度・手引をもとにした一般的な解説です。経験の認定や必要書類は、申請者の状況、許可区分、過去の資料によって異なります。実際の申請では、最新の東京都の手引と許可行政庁の案内をご確認ください。

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