1. 在留期間とは?

在留期間とは、日本に滞在する外国人が法務大臣から許可された在留資格に基づき、日本国内で活動できる期間を指します。外国人が日本で適法に在留するためには、適切な在留資格を持つことに加え、その資格に付与された在留期間の範囲内で活動を行う必要があります。

在留期間は、出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」)第21条に基づいて設定されており、在留資格の種類や個々の申請内容、本人の状況に応じて異なる期間が付与されます。


2. 在留期間の法的根拠

在留期間の設定については、以下の法令が根拠となります。

(1)出入国管理及び難民認定法(入管法)第21条

第21条(在留期間)
① 在留資格をもって在留する外国人の在留期間は、法務大臣が政令で定める範囲内で個別に決定する。
② 在留期間の更新や変更を希望する場合、外国人は法務大臣の許可を受けなければならない。

この条文に基づき、法務大臣が在留資格ごとの在留期間を政令で定めることが可能となっています。


(2)入管法施行規則別表第二

施行規則別表第二(在留期間の範囲)
各在留資格ごとに設定された在留期間の範囲が規定されている。

この別表第二により、具体的な在留資格ごとの最短・最長の在留期間が決定されます。


3. 在留資格ごとの在留期間

在留期間は在留資格の種類ごとに細かく区分されており、大きく分けると以下の3つのカテゴリーに分類されます。

  1. 短期滞在の在留期間
  2. 活動系在留資格(就労資格・特定活動など)の在留期間
  3. 居住系在留資格(日本人の配偶者等、永住者など)の在留期間

4. 在留期間の具体的な設定(短期滞在・就労系・居住系)

4.1 短期滞在(ビザ免除・観光ビザ)

短期滞在は、日本において就労を伴わない滞在を行う外国人向けの在留資格であり、主に観光、商用、親族訪問などの目的で利用されます。

📌 法的根拠入管法第19条

第19条(短期滞在の在留資格)
短期滞在の在留期間は、法務大臣が定める範囲内で付与される。

📌 主な在留期間の設定

  • 15日、30日、90日(入管法施行規則別表第二)
    • ビザ免除国の外国人:短期滞在ビザなしで90日以内の滞在が可能(例:アメリカ、カナダ、EU諸国など)
    • ビザが必要な国の外国人:査証取得の上、15日~90日までの滞在が可能
  • 延長は原則不可
    • 例外的に「やむを得ない理由」がある場合、1回のみ90日までの延長が認められることがある(入管法第21条)

4.2 就労系在留資格

就労資格は、日本での「収入を伴う活動」を目的とする外国人に付与される在留資格です。

📌 法的根拠入管法第7条

第7条(在留資格の付与)
就労資格を持つ外国人の在留期間は、法務大臣が政令で定める範囲内で決定する。

📌 主な就労系在留資格と在留期間

在留資格在留期間の設定
技術・人文知識・国際業務5年・3年・1年・3ヶ月
高度専門職5年(高度専門職1号)
特定技能1号1年・6ヶ月・4ヶ月
特定技能2号無期限(更新可能)
企業内転勤5年・3年・1年・3ヶ月
技能5年・3年・1年・3ヶ月

在留期間の決定要素

  • 企業の安定性・継続性
  • 外国人本人の実績
  • 契約期間との整合性

4.3 居住系在留資格

居住資格は、日本人や永住者との身分関係に基づく滞在を目的とした在留資格です。

📌 法的根拠入管法第22条

第22条(永住者の在留資格)
永住者の在留期間は無期限とする。

📌 主な居住系在留資格と在留期間

在留資格在留期間の設定
日本人の配偶者等5年・3年・1年・6ヶ月
永住者の配偶者等5年・3年・1年・6ヶ月
定住者5年・3年・1年・6ヶ月
永住者無期限(更新不要)

5. 在留期間の更新と変更

📌 法的根拠入管法第21条第2項

在留資格の更新または変更を希望する外国人は、法務大臣の許可を受けなければならない。

申請時期

  • 在留期間満了の3ヶ月前から申請可能(入管法施行規則第21条)

審査期間

  • 通常1ヶ月~3ヶ月(状況による)

よくある変更例

変更前変更後事例
留学技術・人文知識・国際業務大学卒業後に企業へ就職
技能実習特定技能1号技能実習修了後に特定技能へ移行
日本人の配偶者等永住者一定期間の結婚生活を経て永住許可申請

6. まとめ

  • 在留期間は在留資格ごとに異なり、最長5年や無期限のものもある。(入管法第21条)
  • 更新や変更には適正な活動と安定した収入が重要。(入管法第21条第2項)
  • 永住者の資格を取得すると在留期間の更新は不要。(入管法第22条)
  • 在留資格の種類によっては、就労制限があるため事前に確認が必要。

在留期間の管理は、適法な在留を維持するために非常に重要です。更新や変更を検討する際は、専門家(行政書士)に相談することをおすすめします。