技術・人文知識・国際業務ビザの「1年」から「3年」への更新の標準処理期間と在留期限到来時の対応とは?

はじめに

日本で就労する外国人にとって、在留資格「技術・人文知識・国際業務(通称:技人国)」は最も多く利用されるビザの一つです。初回は多くが「1年」の在留期間で付与され、長期在留を希望する場合は「3年」または「5年」への更新を目指すことになります。

この記事では、技人国の「1年」から「3年」への更新申請にかかる事務処理期間と、更新中に在留期限が到来した場合の扱いについて、行政書士の視点で詳しく解説します。


技人国「1年」から「3年」への更新申請の事務処理期間

🔶 標準処理期間:2週間〜1ヶ月程度

法務省出入国在留管理庁によれば、在留資格更新の標準処理期間は 約2週間〜1か月 となっています。 ただし、以下の要因により多少前後することがあります:

  • 提出書類の内容・不備の有無
  • 年収・職務内容・勤務先の安定性
  • 過去の違反歴(交通違反、年金未納等)
  • 入国管理局の繁忙期(4月・10月など)

🔶 「3年」が認められるかどうかの判断基準

「1年」から「3年」へ変更されるかは、入管の裁量判断ですが、以下のような条件が評価されます:

  • 正社員であること(契約社員や派遣社員は不利)
  • 同一職場で2年以上勤務していること
  • 年収が安定していること(300万円以上目安)
  • 納税・年金・保険を滞りなく支払っていること
  • 勤務先企業が社会的信用を有していること

更新申請中に在留期限が到来したらどうなる?

🔷 「特例期間(みなし在留期間)」が適用されます!

在留資格更新の申請は、原則として 在留期間満了日の2か月前から受付可能です。

満了日までに更新申請をした場合、その後は「みなし在留期間」として、在留期限を超えても引き続き合法的に在留・就労が可能になります(出入国管理及び難民認定法 第21条)。

✅ ポイントまとめ:

  • みなし在留期間中は、就労もこれまでどおり可能
  • 在留カードの有効期限は切れても、「申請中」であれば有効と見なされる
  • 入管からの「審査中シール」などを貼付されるケースもあります(※発行は義務ではありません)。
  • この期間中に出国する場合は 再入国許可を取っていても注意が必要(再入国後の入国拒否リスクあり)。

実務上の注意点とアドバイス

🔸 できるだけ「1ヶ月前」には更新申請を!

ギリギリの申請でも合法ではありますが、審査に不備や追加資料の要求があった場合に、入管の対応が間に合わないリスクもあります。少なくとも1か月前には更新申請をすることを推奨します。

🔸 更新許可後の新しい在留カードの受取り

更新許可通知が届いたら、指定された期限までに入管に出向いて新しい在留カードを受け取ります。 このとき、旧カードは返納し、新カードが交付されます。


まとめ

項目内容
技人国の更新処理期間通常2週間〜1か月
「1年」→「3年」が認められる基準勤続年数、安定収入、納税、企業の信頼性
在留期限中の対応期限内申請で「みなし在留期間」が適用される(就労も可)

行政書士としての支援

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