防火管理者の選任

防火管理者の選任

防火管理者の選任単位

防火管理者は、管理権原者によって管理権原者単位に選任されます。
管理権原者が、防火管理講習を受けるなど防火管理者の資格要件を満たす場合には、管理権原者が防火管理者となることもできます。

防火管理者の資格要件

防火管理者の資格を有する者は、政令3条に定める防火管理者の資格を有する者で、防火管理対象物において、管理的・監督的地位にあるものです。

防火管理者の資格

職務的要件

建物等の防火対象物について防火管理上必要な業務を適切に遂行できる管理的又は監督的な地位にある者であることが原則となっています。

大規模事業所の場合

役員、総務担当部課長、管理担当部課長、又は総支配人等があたります。

小規模事業所の場合

社長、役員、事務長、店長等があたります。

防火管理者の管理的地位に関する判例

最判平成3年11月14日 大洋デパート事件

企業内組織において消防法8条1項に定める防火管理業務をすべて自己の判断のみで実行することができる地位、権限を有することまでは必要でなく、必要があれば管理権原者の指示を求め、あるいは組織内で関係を有する所管部門の協力を得るなどして業務を遂行することが消防法上予定されているものであれば足りる

知識・技術的要件

概要

防火管理者には、甲種防火管理者と乙種防火管理者がありますが、不特定の多くの人が利用する建物には、甲種防火管理者の選任が求められ、甲種防火管理者の資格要件には、甲種防火管理甲種を修了した者、学識経験者が、乙種防火管理者の資格要件には、乙種防火管理講習を修了した者があります。

甲種防火管理者

甲種防火管理講習を修了した者

都道府県知事等が行う防火対象物の防火管理に関する甲種講習の課程を修了した者

学識経験者
大学・専門学校で指定された防災に関する学科・課程を修了した者

大学又は高等専門学校で総務大臣が指定する防災に関する学科又は課程を修めて卒業した者で、1年以上防火管理の実務経験を有する者

市町村の消防職員で、管理的又は監督的な職に1年以上あった者
安全管理者

労働安全衛生法による安全管理者として選任された者

防火対象物点検資格者

防火対象物の点検に関し、防火対象物点検資格者講習の課程を修了し、免状の交付を受けた者

危険物保安監督者

危険物保安監督者として選任された者で、甲種危険物取扱免状の交付を受けている者

鉱山保安法の規定により保安管理者として選任された者
国・都道府県の消防事務職員

国若しくは都道府県の消防事務に従事する職員で、1年以上管理的又は監督的な地位にあった者

警察官

警察官又はこれに準ずる警察職員であって、3年以上管理的又は監督的な地位にあった者

建築主事又は1級建築士

建築主事又は1級建築士の資格を有する者であって、1年以上防火管理の実務経験を有する者

市町村の消防団員

市町村の消防団員であって3年以上管理的又は監督的な地位にあった者

消防庁長官が定める者

上記の者に準ずる者として消防庁長官が定める者

乙種防火管理者

乙種防火管理講習を受けた者

都道府県知事等が行う防火対象物の防火管理に関する乙種講習の課程を修了した者

まとめ

防寒管理者に必要な要件には、職務的要件と、知識・技術的要件があります。
職務的要件としては、防火管理対象物において防火管理上必要な業務を行うことができる、管理的又は監督的な地位にある者であることが求められます。
知識・技術的要件としては、都道府県知事等が行う防火対象物の防火管理に関する講習の課程を修了した者であることの他、学識経験者などがあります。

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行政書士萩本昌史事務所